らくらく化学実験_表面張力 界面活性 

銅線アメンボどうして浮くの


 銅線製のアメンボが水に浮く?いくら軽いとはいっても金属製。そのままボッチャン沈没かと思いきや、見事に水上でゆらゆら。この現象、なかなか奥が深そうです。
「手 順」
  1. 細い銅線(造形しやすい)で、好きな形を作ります。ただし、水面に接触する部分が多くなるよう工夫する。
  2. ゆっくり水面に浮かばせる。
  3. 石けん水をつまようじの先につけ、水面にそっと触れて観察。

銅線製アメンボ、のつもり


見事、水面に浮かびます

動 画:しずかに水面に浮かべる 動 画:洗剤付きのつまようじをつける

「注意と工夫」
  1. 線の太さや形により、難しい場合は、水との接触面にロウを塗ってみてください。水をはじくので、浮かびやすくなります。
  2. アメンボをティッシュに乗せたまま、水面に静かに置く方法は、成功率が高いようです。ティッシュはそのまま、下に沈んでしまいます。

「解 説」
表面張力による浮力
 
もうだいぶ前のことになりますが、科学者の毛利衛さんがスペースシャトルに搭乗した際、船内での実験の様子がTV中継されたことがあります。その時、ボトル内の水をストローで吸い上げ、空間で美しい大きな球状の水を作るライブ映像を観る機会がありました。水はお互い引き合ってまとまる性質があり、最も
エネルギー的に安定した形が球体であるということが実感できた瞬間でした。重力の影響を排除できる宇宙ほどではありませんが、露のような少量の水滴であれば、地上でも表面張力の存在を確認することができます。草葉の上ではじかれてまるくなる露(左下画像)、雨もしずくも霧もそうです。コップ一杯に水を注いだ時の、コップの縁の水をよく見て下さい。こぼれそうでなかなかこぼれないときの、水の端は丸みを帯びています。その姿は、まるで水が引き合ってはお互いが離れないように力を尽くしているかのようです。
 
表面層の水分子は、内部の水分子の分子間力との違いによって、表面積を小さく保とうとします。銅線製のアメンボの場合、銅線が接触している水がわずかにはじかれますが、水の境界面には曲面が生じ、表面張力が浮力に加担、銅線の重みをはねかえすようにしてつり合いを保ちます。
ナスタチウムの葉の上の露 水分子は内部に入り込んで安定する

界面活性剤が表面張力を弱める
 
強力な表面張力ですが、洗剤(界面活性剤)を加えることで、水の界面が柔軟になり、水が引き合う力が弱まります。界面活性剤は、
疎水基部を空気の方に向けて表面に並び(右上画像)、親水基部が水分子を引きつけるので、表面で結束していた水の鎖が解かれ、緊張が和らぐ感じになるのです。つまようじで洗剤を加えた瞬間に浮力生む曲面がその形を保つことができなくなり、アメンボは沈んでしまったわけです。

   関連実験ページ:さかさまコップ、まさか!
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   つれづれ化学草子:よどみに浮かぶうたかた

 「参 考」科学手品ファンクラブ(外西俊一郎 成美堂出版)