らくらく化学実験_親水コロイド 塩析 天然有機化合物 脂肪 

はい、生チーズ 

 
 牛乳を素材にした実験ですが、食品製造はやはり楽しいものです。やわらかい歯触りとほんのり酸味をぜひぜひご賞味あれ。

「手 順」

  1. 牛乳をなべにかけ、温める。
  2. レモンを絞って牛乳に加え、よくかき混ぜる。
  3. 火から下ろして、ガーゼで固形分をこし取る。

レモンを絞って

塩析が起こる

固形物をこす

はい、生チーズ!

「注意と工夫」
  1. 牛乳は加熱し過ぎないこと。タンパク質の変質がはじまり、固形物にムラが出てしまうので注意する。
  2. 固形物に塩を加えると食べやすくなりますが、出来たものはあくまで生なので保存が効きません。腐敗しやすいので注意が必要です。

「解 説」
牛乳はコロイド溶液
 牛乳は、乳脂肪分のミセルや種々のタンパク質やミネラル等、様々な物質から成るコロイド溶液です。牛乳に含まれる糖やタンパク質、脂肪などの高分子化合物は、水の中で親水性のコロイドを作っていて、少量の電解質を加えてもその安定した構造は壊れにくいのが特徴です。これら親水性のコロイド溶液を凝固(=塩析)させるには、大量のイオンを含む電解質や酸、熱を加える必要があります。
 実験では、牛乳を適当に加熱して、酸を加えてかき混ぜていくと、成分が沈降してくるので、布でこれを濾し取ったわけです。得られた生チーズは、牛乳から水分を除いた固形成分となり、栄養たっぷりのサプリメントではありますが、生の乳製品なので保存が効きません。一般的にチーズと呼んでいるものはもともと保存の効くように工夫したもので、カビの力を借りて発酵させ、ロウでコーティングする、薫製にするなどの工夫をし、時間をかけて製造されています。