坂高化学教室_コメント
<コメント> 
 はじめは「格言」などとたいそうなテーマとしていましたが、そこまで偉ぶるのはどうかとさすがに感じ入り、「コメント」という安直なテーマに落ち着きました。ファイル名はまだ「kakugen」ですが。。。。さて、サイト運営をする以上、管理者といして何かしらコメントらしき物を残していこうかなと考えたまでです。また、始めた以上、そうたやすくは後戻りできないというか、とにかくまあ頑張っていこうかなという、得意の思いつきではあるのですが。
  <理系科目の勉強は本当に大変か?>
勉強の大変さは効率で判断を!
 
試験範囲の特定される定期試験について、よく言われることで気になっていることがあります。文系科目は前後の関連が比較的少なく対策が立てやすいのであまり大変ではない。しかし、理系科目は積み重ねなので、簡単に点数を伸ばせないから勉強が大変というものです。確かに、文系科目、例えば歴史などで、「今回の試験範囲は鎌倉時代〜室町後期まで」と指定されれば、前回テストの出来はさほど問題ではなく、あらたに学習を区切って取組むことができます。大して、理系の化学などは、「はい今回は酸の強弱〜中和滴定ね」などと言われても、元素の性質、モル、反応式、溶液の濃度など4月からの学習内容がほぼ完全に理解されていることが必須条件のようなもの。これまでの結果から今後の結果が予測できてしまう教科の代表と言われているのであります。
 確かにそういった側面はあるでしょう。しかし、教科担当から言わせれば、長期的には文系科目のほうがはるかに「伸ばしにくく」、化学の方がずっと「楽な」科目と断言できます。文系科目は厚ぶったい問題集をやりこなしても高得点を保障してはくれません。特に人気教科はなおさら、みんなが得意として学習法を工夫しているのです。対して、化学などはどこぞの薄っぺらい基本問題集をペラペラと拾い解きしてみなさい。センター試験の6割は完答です。復習も簡単、大問ひとつ取組めば、そこには元素からモル計算、酸塩基〜酸化還元までいろいろな要素が含まれていることが少なくありません。つまり、一度に多くの項目を学習することができるのです。まさに、1を知って10を知る的な科目であって、効率良いことこの上ない。ましてや、みんなが不得手とする科目なので差をつけるのに持ってこいです。国語の問題で、夏目漱石の小説問題を得意にしたからといって、他の評論や古典の問題に直接応用が効くでしょうか?科目による勉強の「大変さ」を考えるときは、ぜひその科目の特性や効率を公平に判断し、安易に好き嫌いの材料にしないで欲しいものです。
 ちなみに、先日の定期試験では、それまで一度も50点を超えたことのない集団が何人も大幅なランクアップを果たしています。中には、40点から80点に近づいた人もいます。その人いわく、試験範囲とは関係なくこれまでの復習に徹した結果だったそうで、なるほど感心した次第です。


  <実験には学習の確認と「先行体験」の意味がある>
実験の演習では体験をもとに考える習慣を
 
実験中での「演習問題」が難しいという声を聞きます。また、中学校まで、実験というと授業内容の再確認であって、とうもわかりきった結果を期待するという向きがあるようです。しかし、授業での教科書に沿った進行に対し、数時間に1−2カ所くらいやや発展的内容を考えさせたいという意図もあるのです。例えば、「大した大気圧」の実験では、教科書でいう電子配置に加え三態の変化のテーマはもちろん、水の極性から雪の結晶がなぜ六角形を作るのか、さらに水の蒸気圧の復習までやりのけてしまうのです。もちろん、教科書通りに順序立てて進めていくのが基本の大前提ですが、化学などという科目は高校に入って初めて関わる内容ばかりです。レンズ遊びをしたことがない子に、やれ屈折率だ、焦点だの教えるのがえらく難儀なのと同様、まったく「新しい内容」を学ばせるというのはもともと酷な話であります。次はこれ、今度はこれという連続ではすぐに「いっぱいいっぱい」になってしまうでしょう。ある程度、実験を通じて事前に学習内容に触れ(先行体験という!)ていれば、教科書で新しい内容に取組んでもさほど抵抗なく受け入れられるものです。いきなり授業で価電子1の元素だのイオン化エネルギーだのと語られるよりも、アルカリ金属の実験で物質に関わった体験があれば、「ああ、そういうものか」「例のあれね」というような形で学習に取組みやすいのです。
 だから、実験には学習済みの確認に加え、「先行学習」という側面があるという結論です。今後もそういった意図で学習の幅が広がるテーマを増やしていきたいと考えています。


  <必要な場面で活用できない知識は無用の知識>
テストを終えて
 
学習によって一旦獲得した知識は、断片的な短期記憶として一時保留されるのですが、一晩寝ると7割(?)が忘却の運命をたどるという記憶理論があるそうです。これは有名なエビングハウスの「忘却理論」よるもので、要するにかなり短時間の間に復習や活用しないとせっかく得た知識が「パア」になってしまうというものです。一時記憶として保留された知識は、完全に忘れ去られてしまう前に、何らかの活用(生活への関連づけや強い学習動機)をしていかないと、必要な場面で役に立たないという至極当然のことなのです。
 試験の直前に詰め込んだはずの学習内容がしばらく経つと全く忘却され、「あれ、そんなことやったけ?」とか、問題集を終わりまで順序よく仕上げたのに、前のほうはすっかり忘れ去っている、アレですよ。この「忘れる」ということに個人差が多少あるかもしれませんが、学習効果はアタマの良さよりも、はるかに復習の「仕方」に影響を受けるという考えです。単に「同素体の例→ダイヤモンド」のように棒暗記しても、ほとんどの場合は忘却される運命にあるわけ。「炭素原子の結合の仕方」を図にしたり、「ダイヤ」の歴史や「フラーレン」の社会生活での活用に着目することで、より知識は強固になり、「短期」記憶から「長期」記憶にシフトされていくのです。
 必要な場面で最大限に知識が活用できるよう、復習の仕方を工夫していくことが大切という結論です! だ・か・ら、こんな解説プリントを作成してしつこく復習したり、「次」への動機付けをやったりする必要があるわけなのです。
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