らくらく化学実験_物質の三態 二酸化炭素 昇華

ドライアイスにトライ

 物質を低温にすると、我々が普段生活している常温の世界では起こりにくい、特異な現象を観察することがあります。ドライアイスを使って、低温の世界にトライしてみましょう。
 動 画:硬貨が鳴く
 動 画:
スプーンを押しつけた時
 動 画:フィルムケースのフタが飛ぶ(工事中)
 動 画:
ドライアイスホバークラフト(スーパー宮古モデル):これに乗って廊下をスイスイ!:動画:廊下をスイスイ
 動 画:シャボンが浮かぶ様子1
 動 画:
シャボンが浮かぶ様子2
ドライアイスの箱でMgが激しく燃える:動画:マグネシウムの灯火
二酸化炭素中でも燃焼が起こる:燃焼しはじめは白色光が強いが次第に淡い燈色に。

「準 備」
ポリ袋 ストロー 洗剤 フィルムケース 金属製スプーン 硬貨 マッチ マグネシウムリボン 


「手 順」
  1. 【演示実験1:教員の指示に従う】ドライアイスをイスに固定、床上を滑らせる。
  2. 【演示実験2:観察のみ】ドライアイス片にくぼみを作り、マグネシウムリボンを差し込んで点火、すぐに別のドライアイス片でふたをして観察する。
  3. ドライアイスを砕いて、小片5−6個を水槽に保管する。
  4. ドライアイス片1個を小さめのポリ袋に入れて口をしばり、そのまま放置する。袋がふくらんできたら、別の袋に、ほぼ同量の空気を入れて、両者を手の上で弾ませて重量感を比較する。
  5. 別のドライアイス片に金属スプーンや硬貨などを強く押しつけて様子を見る。
  6. ドライアイス片を水槽に5−6個入れて、マッチの火が消えるかどうか確認する。さらに、水槽に水を入れ、シャボン玉を作る。

「注意と工夫」
  1. ドライアイスは大小の発泡スチロールを用意、二重にしておくと保存が効きます。また、ある程度の量ならば、教材屋さんに搬入日を指定できるようです。実験前に小さめに砕いておくといいでしょう。
  2. ドライアイス片をポリ袋に入れると、昇華によってCOが充満してきます。同量の空気が入ったポリ袋と比べると、ややズシッとくる感じがあり、なるほどCOの方が重いということが理解できます。もちろん、袋が大きいほどその感覚ははっきりします。また、10分程度で音をたてて破裂するので、デモンストレーションとしては効果的です。
  3. フィルムケースに小片を入れて、時限爆弾のようにして遊ぶこともできます。フタが勢いよく吹き飛ぶので、少し離れて観察するようにして下さい。何秒(30−40秒程度?)くらいで圧力に耐えられなくなるか、あらかじめ試しておきます。
  4. 机上では、ホバークラフトのように滑っていく様子が観察できます。長い廊下を使うと数十メートルを滑走させることができ、スケールの大きい実験となります。
  5. ドライアイスを細かく砕きメタノールと混合すれば、温度を−90℃近くまで下げることができる強力な寒剤となります。アイスキャンディーはもちろん、アイスクリームも短時間に作ることができます。メタノールは薬局で購入できますが、引火しやすいので注意が必要です。エタノールでもできないことはありませんが、高価で、それほど低温は得られないようです。
  6. 実験書の一部に、ドライアイスを水に溶かしジュースを加えると、炭酸ジュースができるとの記述を目にすることがあります。しかし、添加物(香料?)の問題や溶けきれないドライアイスの誤飲の恐れがあるので、行わないほうが無難です。
  7. 余ったドライアイスを使い、万能指示薬(※)の色が連続的に変化する様子を観察することもできます。万能指示薬を水に溶かし、実験の初めにアンモニア水を少量加えてアルカリ性を保ったところへ、ドライアイスの小片を落とすと、発生するCOにより水溶液のPHが少しずつ変化していくというものです。
(※)万能指示薬は、チモールブルー、メチルレッド、ブロモチモールブルー、フェノールフタレインをエタノールに溶かして作ります。ちなみに、この薬品はかつてユニバーサル試薬という名で出ていましたが、最近は取り扱い業者が限られるようです。

「解 説」

昇華によりCO発生
 
ドライアイスはCOの固体であり、常温常圧下で放置すると、液体を経ずして昇華してしまいます。実験ではスプーン等を使うと音が出ましたが、これは金属面で圧力をかけることで昇華が助けられ、ガス化したCOが金属面を振動させることによるものです。手を離していても音をたてて振動するので、COが激しく気体になることがよくわかります。
 ただ机の上を滑走させるだけでも面白く、現象の観察教材として適しているので、いろいろ工夫してみるといいでしょう。

「演 習」
  1. 「手順1・5」からわかることは何か?
  2. 物質の三態について、気化と昇華の違いを述べなさい。
  3. 「手順4・6」からわかることは何か?
  4. COの分子量を計算しなさい。また、空気の平均分子量と比較しなさい。
  5. 「手順6」からわかることを反応式を用いて説明しなさい。
  6. COは、水に溶けると弱い酸性を示す。そのことを反応式で表しなさい。
  7. COの温度と気圧相関図に、x=20℃(室温)の線とy=1気圧の線を色付きで描き入れなさい。また、常温下では、何気圧で液体となるか示しなさい。
編集:山田暢司