らくらく化学実験_化学発光 冷光 エネルギー

光る液体みてみたい

 防災グッズとしてはもちろん、コンサート会場でもよく見かけるようになったあの不思議な光り物。そう言えば、祭りの夜店でも光るアクセサリーとしてすでに定番化した様子。電気がなくても明るく光るグッズ、よくみると中は液体のようです。光とは、お日様や物が燃えて炎を出す時、あるいは照明の電源を入れた時にお目にかかれるものと相場は決まっていたのですがね。さてさて、液体が光るとは一体…?
「手 順」 所要時間20分
  1. 過酸化水素:イソブチルアルコール:フタル酸ジメチル=1:4:16の溶液を調整し、これをA液とする。
  2. 二つのかわいた試験管を空きかんに立て、ペリレンとシュウ酸ビス試薬(東京化成 A5302 1gあたり\4.500)をミクロスパーティルで少量取る。
  3. 片方の試験管に着色剤ローダミンBをミクロスパーティルでごく少量加える。
  4. ピペットでA液を2ml取り、それぞれの試験管に加えてよく溶かす。
  5. 空きかんにお湯を適量入れて試験管を温める。
  6. 部屋を暗くし観察する。

試験管2本を空きかんに立てる

空きかんの内部に反射してきれい


注意と工夫
  1. ローダミンBはごく少量で十分で、試薬ビンの側面に付着している粉末を少しかき取る感じでいいでしょう。
  2. A液には過酸化水素水が含まれています。作業中に手につくことが多いので実験終了後はセッケンで洗うようにして下さい。
  3. 事前に市販の発光スティック(ルミカライト:定価¥360?:日本化学発光株式会社:0120-00-3930)で演示しておくと効果があります。
  4. 有機溶剤を使いますので、廃液回収後の洗浄はこちらでやるようにします
  5. 廃液をビーカーに少し取り、直接湯を注ぐと強い発光が得られます。(動画リンク)ただし、廃液が増えるので注意。
  6. シュウ酸ビス試薬(東京化成 A5302は、25gあたり\12,000のものも出ています。吸湿分解性なので扱いに注意が必要です。

微妙な色の違いが

市販の発光スティック

カラフルな市販品が増えた

幻想的な光が魅力の実験


動 画:直接湯を入れると一気に発光する:廃液をビーカーに少し取り、直接湯を注ぐと強い発光が得られます。



動 画:メスシリンダーで廃液を混合すると、強い光を発する。


動 画:三角フラスコ内で反応させてみた。
「解 説」
 化学発光は、化学反応によって励起状態の化学種が生じ、それが基底状態にもどる時に光を生じる現象
をいいます。一般の反応の前後では熱エネルギーの出入りを伴うことが多いのですが、この種の反応では光エネルギーへの変換が効率よく行われ、熱をほとんど発生しません。これを 冷光ということもあり、この反応機構を体内でうまく行う生物も多数知られています。

  R−O−C=O            O−C=O
      |   +   →   | |
  R−O−C=O            O−C=O
                     ※中間体

 シュウ酸ビス試薬のRはトリクロロフェニル基で、過酸化水素と反応して安定な活性中間体(※)をつくります。この物質がペリレンのような蛍光物質を活性化、励起状態に引き上げると考えられています。
 同様な反応で、微量成分の検出試薬にもよく用いられるルミノール試薬は扱いやすく、手軽な実験としてすすめたいものです。しかし、光の強さという点では、こちらシュウ酸ビスに軍配が上がります。最近は舞台効果や防災具、レジャー(キャンプ、つり具など)にも利用されるようになっているようです。

乾燥ウミボタルをシャーレ上ですりつぶした際に見られる発光現象

ヤコウタケ:提供:キノコ研究会 市野 亨 氏八丈ビジターセンター


動 画:乾燥ウミボタルをシャーレ上ですりつぶした際の発光 10秒
 
  関連実験ページ:もっと光を!
  関連実験ページ:がんばってガムテープ

「確認演習」
  1. 蛍光と化学発光との違いについて説明しなさい。
  2. ペリレンを加える理由を述べなさい。
  3. 化学発光を体内で行う生物の例をいくつか挙げなさい。