らくらく化学実験_蛍光 紫外線

もっと光を!


 蛍光物質と言えば、ラインマーカーなどに使われる、あの目立つ色素が有名ですね。液を絞り出して暗い箱に閉じこめ、光を少しだけ当てて、その光りぐあいをじっくり観察してみることにしましょう。ゲーテならずとも、もっと光をと唸ることになるやもしれません。
「手 順」 
  1. ラインマーカーの先をコップの水につけて、蛍光物質を浸出させる。
  2. 適当な暗箱を用意し、側面にたての切れ目を入れる。
  3. その箱に、太陽光が切れ目から入るようセットして、上からのぞく。

スリットを通ってくる光

ブラックライトを左方から照射

「注意と工夫」
  1. 蛍光物質が少なければラインマーカーの中芯を取り出してしぼり出すか、赤インキや沐浴剤等を使ってみてください。ただし、成分表示に記載されているものは少ないので、実際に使ったことがあるものでないと判別は難しいかも知れません。身近なところでは、エオシンフルオロセインという蛍光物質がよく使われています。
「解 説」
紫外線を吸収し別の可視光線として放出する
 
物質には、紫外線を吸収しやすい分子構造を持つものがあります。蛍光物質と言われるものは、吸収したエネルギーを別の波長の光(より波長の長い可視光線)として放出するので、光っているように見えるのです。同様な現象で、蓄光とか燐光と言われるものがありますが、ゆっくりとエネルギーの放出が行われるため、光を当てるのを止めても、発光が持続します。中には丸一日も光り続けるものもあるようです。
 わざわざ暗箱を作り、横からも観察するのには理由があります。光源は一方向から差し込むだけですが、蛍光物質が
放出する光は全方向になるので、光源からちょうど直角方向から観察すれば、余計な光を観ずに済む理屈です。
 ある種の
鉱物は、紫外線照射により蛍光を発するものがあります。下にいくつか蛍光鉱物を紹介します。

蛍石 CaF2:火であぶっても蛍光を発する

珪酸亜鉛鉱・方解石・紅亜鉛鉱等を含む鉱物

蛍石:成分によりやや色に違いがある

   ブラックライトを照射


動 画:
蛍光鉱物にブラックライトを照射

動 画:蛍石を砕いて火であぶっても発光する

 下画像は、こちらは、蛍光物質のサンプルをたくさんそろえた標本。右画像は、ブラックライトを照射したもの。

蛍光物質標本


紫外線を照射

 紫外線防止クリームなるものが市販されていますが、表示をよく見ると、たくさんの種類があることに気づきます。紫外線を吸収する能力の指標としてSPF値というのが使用されています。左下画像は、漂白用紙に日焼け止めクリームを塗り、ブラックライトを照射したものです。
 また、衣類の黄ばみを消す目的で、蛍光物質の加えられている洗剤があります。応用実験として、洗剤の付いた布とそうでない布を暗箱に入れ、比較してもおもしろいかと思います。下右画像は、適当な布きれを座布団の上に置き、ブラックライトを照射したものです。明るい色には蛍光物質が使用されているようですが、バックの座布団は全く光らないことに注目。

クリームで書いた文字は黒く写る

クリームで書いた文字は黒く写る

    関連実験ページ:光る液体みてみたい
    関連実験ページ:がんばってガムテープ


「確認演習」
  1. 蛍光と化学発光との違いは何か、説明しなさい。
  2. 洗剤の中に蛍光物質が使われているものがあるが、その目的は何か説明しなさい。
  3. 蛍光物質には他にどんなものがあるか。身の回りで使われている物をいくつか例示しなさい。
「参 考」 ハテナ?ナルホド実験室(Quark編 講談社)
編集:山田暢司