らくらく化学実験_希ガス プラズマ マイクロ波

電子レンジでチャレンジ


 火の玉と電磁波の関係は、一部メディアのおかげで一般にもだいぶ知られるところとなりました。この伝統的な超常現象(?)を電子レンジのような現代機器で作り出すのにチャレンジしてみようというものです。果たして、ヒュー、ドロドロ〜、と怪しい雰囲気を醸し出すことができますやら…。
「手 順」
  1. シャープペンシルの芯をリング状に組む。
  2. ガラス容器の底に乾いた砂を入れ、炭素リングをその上にセットする。
  3. 電子レンジを弱めにしてスタートさせ、遠目で観察する。

シャープペンシルの芯をリング状に

レンジにかけてみる

  動 画:レンジ内の様子
容器の上部にふわっとしたプラズマが現れますが、わかりにくいかもしれません。画像再収録の予定です。

「注意と工夫」
  1. 電子レンジは、最弱設定で10秒程度が望ましいと思われます。長時間の使用は、レンジを傷めるといわれています。
  2. 口のすぼんだビンだと球形の発光が、広口ビンならば尾を引いた感じの火の玉が観察できるはずです。
  3. 蛍光灯のグローランプを電子レンジにかけても、発光現象が確認できます。ただし、グロ-ランプ等はかなり熱くなるので、火傷しないよう注意が必要です。
  4. レンジから発生するマイクロ波は、扉のところでシャットアウトされるので安全なはずですが、完全とは言い切れません。観察は、遠目にした方が良いでしょう。

動 画:グローランプが光る様子

「解 説」
火の玉は、プラズマ状態が生み出す発光現象
 単に黒鉛が「燃えて光った」のではなく、気体がプラズマ状態になったことによる発光現象です。鉛筆の芯をリング状に組むと、電子レンジのマイクロ波(※)がよく当たり、激しく変化する高周波電流が生じやすくなります。その際、炭素は容易に放電し、生じた電子が空気に衝突して、正電荷と負電荷に分かれます。この電離ガスがプラズマ状態であり、強い磁場によって作り出される炭素自身の電離ガスも加わり、電波によって安定−不安定間を振動する際に、余分なエネルギーが光となる現象であると考えられているようです。
※電子レンジは、24億5千万もの周波数の電磁波を食品に当てることで、水分子を振動させて熱を生じさせるようにできています。

  関連実験ページ:圧っ、カミナリだ!
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つれづれ化学草子:雷を捉へし縁


「確認演習」
  1. 材料に炭素である芯を使うのはなぜか?
  2. マイクロ波とはどんなものか?調理に電子レンジを使う理由を述べなさい。
  3. 見られる光と化学発光、蛍光、摩擦ルミネッセンスとの違いを述べなさい。

「参 考」
・電子レンジで火の玉をつくる…佐々木修一(東レ科学振興会)
・NATURE 1991…大槻義彦(ネイチャージャパン)
編集:山田暢司 埼玉県立坂戸高等学校