らくらく化学実験_PVA 高分子

べとべと不思議物質 

 小中学校や公民館などのイベントの出し物として大人気の代物ですが、形のないくにゃくにゃベトベトしたものが何でこんなに人気があるのでしょうか。
「準 備」
せんたくのり(PVA系)のり  四ホウ酸ナトリウム10水和物(Na・H)  割りばし  食紅

「手 順」
  1. せんたくのりを50ml、同体積のお湯(約50℃)で薄める。さらに食紅を加え、割りばしでよくかき混ぜる。→A
  2. 四ホウ酸ナトリウムを1gとり、10mlの水に完全に溶かす。もし、溶けきらない場合は、上澄み液のみを使用する。→B
  3. BをAに加え、わりしですばやくかき混ぜる。
  4. 手に取り、丸めてみる。

薄く伸ばしても楽しめる


食紅による三色染め

動 画:伸ばしてみたところ

「注意と工夫」
  1. ビーカーを容器として使用する場合は洗浄に手間がかかり、水も大量に必要となります。廃棄できる紙コップやビニールカップが結局低コストになると考えられます。
  2. 材料のPVAのりですが、化学のりには似たような素材(略号に注意)がいろいろあるので注意して下さい。
  3. ホウ酸ナトリウムは、結晶が残っていると、ぱさぱさになることがあるので完全に溶かすようにします。食紅で着色する場合は、この段階で加えます。
  4. 香りを加えると楽しみが増します。添加する香料は、普通の薬局、化粧品店で扱っているもので十分で、例えばハーブのエキスを使い「ラヴェンダースライム」なるものを作っても楽しめます。
  5. PVAのりが多すぎると材料は全部だめになってしまいます。一度に加え過ぎないよう、少な目にしてできたものを取り出し、少しずつのりを加えていくといいでしょう。
  6. テーブルをかなり汚しますので、あらかじめ新聞紙を敷いて(床にも)おくと片づけが楽になります。
  7. 糸のようにすーっといくか、どろどろ落ちる方か、好みにもよりますが、水の量のコントロールは、やや勘に頼るところ大です。

お手軽実験の定番

 せんたくのりの中のPVAは、水の中を自由に動き回ることができる状態ですが、そこにホウ酸ナトリウムが加わると、PVA分子内の水酸基(−OH)と結合するため、長い鎖のあちこちでロックがかかったようになります。その際、水分子が鎖の間に閉じこめられるのです。水溶していた分子が粘性の高いゲルとなるのですが、手でこねるうち水分が少しずつ抜けて、さらに粘性が高まっていきます。濡れているようで濡れていない、なんともふしぎな感触の物質です。物質にじかに触れる良い機会としてぜひ作らせてみたいものです。
 PVAのりを使うことから高分子化合物の学習(ポリマー、ヴィニル基の重合など)で扱われることが多いのですが、PVAの略号の意味と「ポリ」「ビニル」と名の付く製品例をいくつかあげさせると良いでしょう。
 「スライム」の名は、確か二十数年前に遊具として市販されたことで知られるようになったように記憶しています。その後「スライム作り」は定番実験として校種を問わず全国展開し、最近は鉄粉を混ぜ、磁石で吸い寄せて遊ぶもの、ペットボトルを使ったスライム時計なるもの(右画像)など、たくさんのヴァリエーションがあるようです。


「演 習」
  1. 洗濯糊の成分にPVAとあるが、この略号の意味を答えなさい。
  2. PVAの構造式(基本単位)を書き、炭素−炭素結合の種類を答えなさい
  3. 生成物は水をたくさん含んでいるはずなのに、手にしても濡れない。これはどういうことか、図説しなさい。
  4. 「ポリ」「ビニル」と名の付く製品例をいくつかあげなさい。

関連実験ページ:イクラ何でも!

「参 考」子どもにできる科学手品50(緒方・円谷 講談社)

バナーご自由に→ 
・・・ 更新・・・